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文通

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海外での旅に慣れていないせいか、わたしはどうもチップが苦手である。
特にホテルの部屋で、チップを置いてゆくことには抵抗を感じる。
この抵抗感はどこにあるかと考えてみると、それは払うことへの抵抗ではなく「自分だったら」と逆の立場で想像したとき、置いてあるお金に手を出すことが嫌なのだろうと思った。

海外文化に慣れている方は、きっとこんなふうにややこしい事を考えたりはしないのだろう。
カンボジア旅行の最初の晩、わたしはチップを用意しなかった。
2日目は大晦日でホテルではささやかなパーティが催され、わたしは翌朝部屋を出る前に$1と走り書きでA HAPPY NEW YEAR!と綴った。

その晩、部屋に戻ると枕元にホテルのメモがあった。
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イラスト入りの返信だった。

翌朝、わたしは再び$1を用意し、少し考えてからドラえもんの絵を描き添えた。
このときはわたしの中で「返信」を期待する気持ちが少なからずあった。
そして返信には今度はわたしに対する「問い掛け」があった。
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Do you like sun flower?

花と太陽の絵が描かれていたので、たぶんこれは向日葵なんだろうと思った。

最終日、ホテルのチェックアウトはお昼だったので、わたしは午前中、町歩きをした。
途中、花屋を覗いてみる。向日葵の花は無かった。
市場にも公園にも無かった。
しかしそれは思わぬところで見つかった。
郵便局である。
友人と家族宛のポストカードを投函しようと訪れた郵便局で、向日葵の切手を見つけた。

ホテルの部屋を出るとき、わたしは最後のチップを準備した。
現地紙幣の4000リエルはだいたい$1と同じ額。
それから旅行鞄に入りきらなかった御菓子を1つ。
そして向日葵の切手と落描きを添えた。

これがカンボジアで、わたしがホテルの部屋係と交わした「書簡」のすべてである。
顔を合わすでもなく、声を聴くでもなく、名前すら知らぬカンボジア人が、わたしの残した向日葵の切手をどうしたかは知らない。辞書が無かったので古い記憶を頼りに書いた英文の「手紙」が果たしてちゃんと伝わったのかも疑問。英文法とスペルのミスがバレそうなので写真はいつもより小さめにアップします(セコイ!)

せいぜいブログのひとネタにでもなるかな、という程度の浅はかな魂胆には善意も好意もあるはずもないが、わたしはなぜだか妙に得をした気分である。

日本にはチップを支払う慣習こそないが、「お裾分け」という文化がある。
これが日本人のチップなのではなかろうか?

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【205/1973】【206/1973】【207/1973】【208/1973】
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by tabijitaku | 2008-01-31 02:17 | 私が私であるための1973枚

あの子を探して

いまさら、と言われるかもしれないけど私はつい最近になって初めてチャン・イーモウの監督作品を観た。

映画「あの子を探して」のストーリーはいたってシンプル。
山奥の分校に臨時教師として赴任した13歳の女の子が主人公。
この女の子、けして可愛くないし、可愛げもない。
お金にがめついし、子供を可愛がりもしない。
だから、観る側としては安易には感情移入できない。
英語のタイトルになった「Not One Less」の意味は、女の子に課せられたボーナスの条件。在職中、生徒に1人も退学者が出なかったら彼女はボーナスを貰えるのだ。
女の子はボーナス欲しさに、貧しい家庭の事情から町に働きに出された1人の生徒を連れ戻しに行く。
「あの子を探して」はわたしにとって極上の「旅」映画だった。
これほど臨場感のある旅の映画は初めてかもしれない。
旅の臨場感とはただ単に美しい風景を切り取った映像だけを指していうのではない。
例えば主人公が雑踏の中で感じていたであろう孤独や、宵闇に囲まれて途方に暮れる姿に、わたしはいとも簡単に寄り添うことができた。
そして旅が彼女を成長させる。

さて、本日の写真はアップの予定になかったカンボジアの子供たちの写真。
カンボジアの子供たちはインドと違ってカメラを向けてもお金を求めてこなかった。
代わりに素敵な笑顔を見せてくれる。
彼らがなぜ笑顔を見せるのか、わたしには分からない。
ただ1つ言えることはあの国では、大人と子供が同じような笑顔を見せるのだ。
酷い内戦のあった国だからこそ、わたしはその笑顔が意志であるような気がしてならない。

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【202/1973】【203/1973】【204/1973】
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by tabijitaku | 2008-01-29 00:14 | 私が私であるための1973枚

Go!Go!ポスィ

ボンジュール!

最近毎朝見かける工事現場のそのオジサンはやけに張り切っていって、それは激しく全身を揺らしながら誘導灯を振る。
真面目な方なのだろう。きっといい加減な仕事ができないのだ。
ただ問題は動きは派手すぎて「進め!」と言いたいのか「止まれ!」と言ってるのかが、イマイチ分からないこと。



大学の第二外国語の授業では一応フランス語を選んだのだけど、恥ずかしながら知っているフランス語と言えば、メルシーとジュシジャポネだけ。
2つ合わせてできる会話は、「ありがとう!俺は日本人だぜ」しかない。
全く知性の感じられない話で恐縮だが、わたしが一番好きなフランス語は数字の「4」である。
quatre=クワトロォ
この発音、とてもカッコいいと思う。
ぜひ寿司屋のカウンターに座って言ってみたい。

「へい、何か握りましょう?」
クワトロォォォ!

注)クワトロはイタリア語でした(汗)



レンタルショップの返却ポスト…と思いきや返却ポスィだった。

「お客様、営業時間外のときは返却ポスィをご利用下さい」
「メルシー」

ポスィをご存じない方はこちらへ
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by tabijitaku | 2008-01-24 23:47 | 私が私であるための1973枚

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「…オレか?」


自分の姿は意外と見えない。
【200/1973】
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by tabijitaku | 2008-01-23 23:58 | 私が私であるための1973枚

「マルホランドドライブ持ってった?」

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カンボジアは直行便があるぐらい、日本からの観光客が多い。
特にベストシーズンである年末年始は、街で日本人を探すのはスーパーでマヨネーズを探すぐらい簡単で、世界遺産においては花屋でバラを探すぐらいわかりやすい。

ゆえに「隣」の日本人の会話をよく耳にした。
ほとんどの会話は右耳から左耳へ抜けていったのだが、ただ1つ憶えていることがある。

それは姉弟の会話である。

ふたり旅(あるいは別な場所に他の家族がいたのかもしれないが)のようだった。
わたしも弟とポーランドへ兄弟で旅に出たことがあるけど、成人した姉と弟の旅はそれだけでも興味を惹かれた。下品を承知で聞き耳を立てた。

会話の断片から推測できたことがいくつかある。
1)姉と弟が離れて暮らしていること(姉も弟も実家を出ている)
2)二人が久々に再会したこと
3)弟は姉を「姉ちゃん」と呼び、姉は弟を「アンタ」と呼ぶこと
4)二人がともに音楽好きなこと

最後の音楽好きは、実家を出た姉が大量のCDを家に残してきたという会話のクダリがあったので。弟はその姉の置いていったCDをちょくちょく実家に行っては無断で借りているらしい。
弟がそのことを詫びると、姉は行き先が分かっているならいいよ、と応えた。

「マルホランドドライブ持ってった?」
「持ってる持ってる」
「アレ、音楽いいっしょ?」
「いいねー」

断片的に聞こえたその会話は、わたしのカンボジア土産となった。
「マルホランドライブ」はデビット・リンチがカンヌ映画祭で監督賞を獲った映画。
タイトルは知っていたけど、これまで観る機会がなかった。
リンチの作品はご存じの方ならお分かりだろうが、「親切」ではない。
「えー」という終わり方をちょくちょくする。
「ツインピークス」のテレビシリーズに夢中になった方なら、あの不可解な終わり方が記憶の片隅にあるだろう。
しかし、観客を放り出す力もすごいが、引っぱる力もすごいとわたし自身は思っている。
例えば有名な「ブルーベルベット」は人間の耳を拾う、という非日常的な出来事から始まる。「エレファントマン」はトラウマになるぐらい「残る」映画だ。
音楽では言えば前述した「ツインピークス」のテーマソングは名曲だし、映画のタイトルになった「ブルーベルベット」は、「バグダッドカフェ」の「コーリングユー」と並んで一度聴いたら耳鳴りがするぐらい忘れられない歌だ。

「マルホランドライブ」の音楽?気になる。

先週、TUTAYAでとうとうDVDを借りてきた。
映画はリンチワールド全開で、見終わってからモヤモヤが始まるような映画だった。
音楽はというと、姉と弟がよかった、というのはこの歌かな、と思う曲はあった。

真夜中にロウソクの炎が揺れているような哀しい歌声の曲だ。
というわけで本日の写真はかなり強引にこの写真。
実はこの近くで姉弟の会話を耳にしたのだ。

【199/1973】
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by tabijitaku | 2008-01-22 07:48 | 私が私であるための1973枚

アンコールバルーン

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世界遺産アンコールワットを空から見下ろせるというゼータクな乗り物がある。
その名もアンコールバルーン。
気球である。
GOOGLE EARTHの「視線」で楽しめる。
【192/1973】

「下」からの視線。
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by tabijitaku | 2008-01-19 23:24 | 私が私であるための1973枚

ブランコをこぐように

ブランコをこぐように無心で全開に
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ブランコをこぐように無限に全力で
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もっといける!
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by tabijitaku | 2008-01-16 00:20 | 私が私であるための1973枚

なまず番の少女

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あなたの「仕事」はなんですか?

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彼ら親子の仕事はバナナ売り。父親が手こぎボートを観光船に横付けし、息子が船に乗り込む。そのアクションに客は拍手喝采。しかしバナナが売れるとは限らない。

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彼はアネトウさんの友人。アネトウさんはわたしが泊まっていたホテルの前にいつもいたバイクタクシーのドライバー。そしてアネトウさんの友人の仕事もやっぱりドライバー。

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彼の仕事は牛の番。カンボジアの犬はほとんど吠えないが、番犬の彼は吠えるのも仕事。しかし牛達はすぐ忘れる。

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彼の仕事は公園の水撒き。乾期のカンボジアは雨が降らない。公園の芝が青々としているのは彼のおかげか。

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おそらく彼の仕事はガードマン。でも帽子しかなかったからホントのところはよくわからない。

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彼女の仕事はなまずのエサやり。観光船に乗ってやってきた客達はまず彼女の生け簀を覗き込む。すると彼女はクーラーボックスからエサを取り出し生け簀に放る。しかし客はその先の生け簀にワニがいることに気づく。なまずよりワニ。人々はあっという間にワニの生け簀へ群がる。1人取り残された彼女は次の観光客がやってくるまでじっと俯いて待つ。それが彼女の仕事。
働く人間の背中は美しい。わたしはとても彼女に話しかけたが、声をかけることができなかった。仕事中だったので。

【183/1973】【184/1973】【185/1973】
【186/1973】【187/1973】【188/1973】
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by tabijitaku | 2008-01-13 22:03 | 私が私であるための1973枚

カンボジアのトイレ事情

ロシアに行くときガイドブックには「トイレットペーパー持参のこと」とあった。
確かにホテルのトイレですら、トイレットペーパーはわら半紙のように固かった。

所変わればトイレ変わる。

カンボジアのトイレはホテルや空港の場合、水洗トイレで何の問題もない。
しかし、農村地区のトイレはたいてい有料で、しかも「手動」水洗。
便器は和式に似ていて、終わったらバケツで水を汲んで自分で流す。

1回の使用料はだいたい500リエルぐらいだったから、15円ぐらいかな。

この自分で流す、というシステムがわからない外国人の為にかどうかは分からないが、トレイの外には係の者がいて、使用後に次のひとが入る前にチェックしていた。
それを見て顔を真っ赤にしていた日本の女性がいたけど、ちょっと可哀相だった。

バケツで水を流すせいか便器の回りは水びだし。たぶんスーパーマンやバットマンは苦労するだろう(マント対策に)

とある世界遺産の近くにあったトイレは水洗でしかもキレイだった。
しかも注意書きを見て思わず笑ってしまった。

カンボジア語で何と書いてあるのか非常に気になる。

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【182/1973】
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by tabijitaku | 2008-01-09 23:56 | 私が私であるための1973枚

カンボジアのドラえもん

カンボジアの宿はホテルサリナ。
ニューイヤーを迎えた朝、ロビーのクリスマスツリーの下に飾られていたギフトには部屋番号がマジックで書かれていた。
宿泊客は自分の部屋番号が記されたギフトを貰う。

すべてにおいて「感じのいい」ホテルだった。
朝、部屋をでるときにチップの横にドラえもんのラクガキを描いた紙を置いておいたら、客室係から「わたしはDORAEMONが好きです」というコメントが返ってきた。

どうやらカンボジア人もドラえもんは知っているらしい。

で、キミは誰なの?

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【181/1973】
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by tabijitaku | 2008-01-08 00:17 | 私が私であるための1973枚


中庭、それは外。でも内側


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