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未完の中庭

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先週末、下北沢へ行ったのはひとへの贈り物を探してみようかと思ったのだけど、町を歩いているうちに、いまはそういう時期ではないな、と思い始めて何も買うことができなかった。

突然雨が降り始めたのは、下北沢から新宿へ移動する電車の中でのことで、最初はバイクで来なくてよかったな、と思っていたが、わたしには小田急線の改札口を出てから西武新宿駅まで地下だけを通って移動する方法が分からなかった。地下街で散々迷って歩いている最中、わたしはこの日唯一、誰かのための買い物をした。それはバターラスクで、上京していた弟のために買った。
せっかく新宿にいるので、紀伊国屋まで足を伸ばし、前から欲しかった略画辞典を探そうと思い立つ。
ガード下でしばらく雨宿りしていたが、雨は止みそうにない。いったん地下のサブナードに降り、400円のビニール傘を買った。しかし再び、地上に戻ると雨は止んでいた。
世の中が少しづつうまくいかないときと、少しづつうまく行き始めていると感じる段階があるとしたら、わたしはやっぱりまだ前者で、でもプラス思考で考えれば、本当はメチャクチャうまく行っていないのに、機転と解釈の力で「少しづつ」と思いこんでいるだけなのかもしれない。
何もかもうまくいかないとは思っていない。
何かはうまく行っているし、誰かとはうまく行っているんだろう。

生牡蠣販売とテロ対策強化中。
世界は不思議なものどうしが隣合って融合もせず、相反することもなく、ただ存在したりしているのだから、自分の居場所がないとは思わない。ただ誰かに頼られていないと不安になるというどうしようもない逆依存の自分の本性に最近気がつき、面倒臭い己の性格には多少嫌気がさしているだけである。

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旅に出るための荷物を詰めていた。
DVDプレーヤーを持参して、旅先でご当地の「男はつらいよ」を観るのが、ここ最近のわたしのパターンであったが、ひとに貸していたプレーヤーのコードがどうしても1本見あたらず、これもまた「少しづつうまくいかないこと」の1つだと溜息をつきつつ、やっぱりここでもわずかばかりのプラス思考を総動員させ、「海辺のカフカ」のハードカバーの下巻をDVDプレーヤーの代わりに持参することにした。バイク旅行の場合、持参できる荷物に限界がある。普通はハードーカバーの本なんか持って行ったりしないんだけど。

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「自分に同情してはいけない」

最近、社長と弟と木下さん(部下)の言うことはいつももっともで、グウの音も出ないことばかりなのだけど、上の台詞は元々は「ノルウェイの森」の中の永沢さんの言葉で、それをあえて口にして、わたしに言ってくれたのは弟だった。
わたしはけして自分に同情はしていない。していないが、何かに「便乗」して悲しんだり、傷ついたり、悩んだふりをしたりしている姑息な自分の存在は認めている。
それは曇り空だったり、不景気だったり、暗いニュースだったり、自分の年齢だったり、三沢光晴のいないこの世の中だったりするわけだけど、元来何かにものすごく影響を受けやすいわたしは、悲しみに浸りやすいのだ。
そんな歌なら世界に無数にあるのだろうけど、今晩を境に明日の朝はきっと新しい世界が始まるよ、みたいな音楽を耳にしたい、などと書くとお返しのできない親切をまた受けてしまいそうなので、自分であとで探してみよう。

さて、ブログを長らく続けていると、そこが「場所」になり、それはたぶんただの思いこみなんだろうけど、自分らしさを錯覚させる場所にもなったりする。
「私が私であるための1973枚」は、ほんの思いつきで始め、でも後付の理由で計算してみたら、約2000枚の画像をつなぎ合わせると、映画1本分ぐらいのスライドショーができ、それをDVDにしようと思って続けてきたが、その気持ちが既に失われていることに自分自身で気づいていた。
ブログを止めます、とか閉めます、とかそういうのは散々見てきたし、知らぬうちにリンク切れになっていたお気に入りサイトもいくつもあった。
止めるのでもなく、閉めるのでもなく、「未完」という形でわたしはここを去ることにした。
わたしの勝手な思いこみだろうが、ここにいると、わたしは常に誰かに見張られているような見守られているような気になり、傘を買うタイミングも、他の何かのタイミングも逃しそうな気がするのだ。
弟は彼のブログを閉めるとき、再開の場がもしあるなら希望者に通知しますと言って、連絡先を募っていた。意外にも多くのひとがそれに応えたという話を聞いた。わたしも二番煎じで同じことを考えたが、わたしは約束というものを果たす自信が無いので、それはできないと思った。
頂いたコメントに返事はできないので、コメント機能を外させて頂いた。
寂しくないことが寂しい。でもそれはすごく寂しいことよりいいことなのかもしれない、と片隅からプラス思考(なのか?)を寄せ集めて、わたしは旅に出る。
何かを欠くしたときは、「にすい」を探すのだ。「にすい」があれば「欠」は「次」になる。
これはわたしの発見した「にすいの法則」である。
ご機嫌よう。

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by tabijitaku | 2009-08-13 03:06 | 私が私であるための1973枚

ホームの犬

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GIFアニメの第二作目。
同じ動きを繰り返すのがGIFアニメの面白さなら、最初に頭に浮かんだのが「ホームの犬」だった。
村上春樹のタイトルは忘れてしまったけど、何かの小説の冒頭で登場したシーン。
きょう、久しぶりに村上春樹を読みたい気持ちになって、本棚の奥から「海辺のカフカ」の上巻をひっぱり出した。

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by tabijitaku | 2009-08-10 01:49 | 私が私であるための1973枚

蜘蛛と花火

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by tabijitaku | 2009-08-08 08:49 | 私が私であるための1973枚(絵)

蝉の鳴く夜

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眠れぬ夜は起きていたらいいんだ。
蝉が鳴いている。
夜も朝も。
夜と朝の間にも。

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by tabijitaku | 2009-08-08 04:52 | 私が私であるための1973枚

後ろ姿に誘われて

「そうです、わたしがウチワマンです」
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遠くを見る少女。
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官と民。
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まだ子供らしい男子。
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もう大人びる女子。
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気品漂う野良がいる。
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敬礼するのはお巡りさんだけではなかった。
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丸い背で 何を想うか 夏祭り
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by tabijitaku | 2009-08-03 06:27 | 私が私であるための1973枚

西瓜

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週末の時間のほとんどをわたしは自治会という不思議な集まりに捧げてしまった。
地区の納涼祭があり、その準備にかり出されたのである。
普段、仕事を理由に会合にまったく参加していない後ろめたさもあり、週末は割り切って、言われるがままに机を運んだり、交通警備にあたったりした。
もしかしたら、わたしのような「にわか参加者」が多いのか、どう考えても必要人員をはるかに上回る人の手があり、だらだらとした気怠い時間が流れていた。

例えば、看板に紙の花を付けるその方法を巡ってでさえ、延々と話し合いが続く。
順番は赤白赤白がいいのか、ピンクを混ぜるのか、花は足りるのか、足りないならいまから作るのか、と言った感じで、誰かが「どうせ誰も見ちゃいないわよ」と言い出すと、「それもそうね」と作業が進んだ。
結局、大量に余った紙の花は翌日、ゴミ袋の中にあり、なぜ花を付けたまま、埃をかぶらないようにビニールがけするなりして、来夏まで保存しておこうと思わないのか不思議だった。

夕方の交通警備が終わると、本部へ行けと言われて、そこで弁当を貰った。すぐにビールをつがれ、コップで二杯飲んだ。最近のわたしは毎晩、アルコールを飲んでいるが、わたしにはビールは合わないのか、酔いはしないが飲み直したい気分になって、部屋で梅酒を飲んだ。
網戸越しに聞こえる炭坑節をBGMに、三年前の夏を思い出していた。
わたしは夏に引っ越しをして、その日はたまたま納涼祭だったのだ。
あの日はよく晴れていた。

日曜日は空模様が悪く、時折激しく降り出す雨の中、また気怠い気分で片付け作業をした。
作業は午前中で終わった。
午後、雨足が鈍ったタイミングで車で買い物に出かけた。
雑木林を抜ける一本道、わたしは車のウインドウを全開にした。
ひんやりとした空気が心地よかったが、すぐに雨が強くなって、窓を閉めた。
雨の日曜日、道路はどうしようもなく混んでいて、わたしは行き先も道順も変更した。
道中、たまたま見かけた酒屋に入る。
薄暗い店内は思ったより広く、高い棚にずらりと並ぶお酒の列は、図書館みたいで、ラベルと瓶の形を眺めているだけでけっこう楽しかった。
わたしは二種類の梅酒を買った。

夜、近所の台湾料理屋で早い夕飯を食べた。
料理と一緒に頼んでいない西瓜が出てきた。
西瓜を食べるのは今夏初めてだった。
日本式というものがもしあるなら、西瓜の切り方は三角か半月だろうが、店で出された西瓜はそのどちらでもない不思議な形で、最初から塩が振ってあった。
デザートの西瓜まで残さず食べ、奥さんの「アリガトーゴザイター」という言葉に見送られて、わたしは店を出た。

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【734/1973】
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by tabijitaku | 2009-08-02 20:38 | 私が私であるための1973枚(絵)

他人の通夜

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先週、通夜に出た。
出張中の社長に代わって香典を届けただけのことであるが、久しぶりに黒いタイを締めると、何だか自分がすごく年老いた気がした。
代理で参列した場合、記帳は自分の名前を書いたほうがいいだろうか?
少し迷ってから、わたしは会社の住所と社長の名前を書いた。
受付の方が深々と頭を下げる。
祭壇には当たり前のようにわたしの知らない方の遺影があった。
思ったより、若い方に見えた。

わたしにとっては悲しむことすらできない儀式の場であったが、2009年の夏に何があったかを何年かして、何十年かして想い出そうとしたとき、この他人の通夜はそのひとつとして忘れられない出来事になるであろう、とわたしは思った。

冥福を祈りたい。

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【732/1973】【733/1973】
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by tabijitaku | 2009-08-01 15:42 | 私が私であるための1973枚


中庭、それは外。でも内側


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