全力で引き返す。

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先週、通勤途中の埼玉の道が局地的な大雨で水没した。
パトカーが道を閉鎖するほどの出来事で、一時的な大渋滞が発生していた。

それはニュースでたまに見かける光景だった。
水没して立ち往生している車の映像、わたしにはあれが不思議だった。

なぜ、あんな状況に陥るまで逃げ出すことができなかったのか?
どんな豪雨であろうとも、水かさが10センチメートル増す時間が、車の速度より速いなどということはあり得ないのだから、ドライバーが乗車している車が水没するなど考えられない…そう思っていた。

だが、実際に自分が体験して感じたのは、たぶんあれは「わかっちゃいるのに、戻れなかった」ひとの挙句の果てなのだ。
ふだん、気にしていない道には微妙な傾斜や窪地があり、そこに雨水が一気に貯まるため、目前の道が川になるのは、運転していると一瞬の出来事である。

その時、わたしの30メートル手前では、川と化した道で車が立ち往生していた。
わたしの後方には更に2台の車がいて、行方を見守っていた。
ああ、ここが瀬戸際だと思って、わたしはハザードをたき、クラクションを鳴らし続けて、強引に車をバックさせる合図を送った。
夜の暗い一本道をバックで走るのはしんどかったが、わたしがしつこくクラクションを鳴らし続けたこともあって、後方の2台もバックし始めた。
200メートルほど車をバックさせると、雨水はウソみたいに引いて、車を停車して降りることができた。
後方にいた車の窓から、同じく車を停車させた運転手がこちらを見ていた。
「無理ですね、あれは」とわたしが言うと、彼は「そうですね。ありがとう」と言った。

ダメだ、キケンだ、と思いながら、前に進んで案の定ダメになるということがある。
出来そうで出来ないことは、来た道を全力で引き返すことだった。
全速力で後戻りすることで回避できることは、けっこう多いというのに。
道は後ろにもある。
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by tabijitaku | 2010-10-17 22:01 | 私が私であるための1973枚(絵)


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