カテゴリ:私が私であるための1973枚(絵)( 57 )

女性専用車両

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この拙い1カットの絵から「わたしの立ち位置」をご理解戴くのは困難か。
説明しよう。
わたしはいま「喫茶店」にいる。
その喫茶店は「橋」を渡ってすぐの場所にあり、その橋の下を「列車」が走っている。
だから喫茶店のガラス窓からは列車を見下ろすことができる。
外からガタンゴトンと音がすると、眼下に列車が右へ左へと走り過ぎてゆく。

ガタンゴトン。
ガタンゴトン。

夕方の5時。
乗客はまばらで、ひとが一人も乗っていない車両もあった。
二階から見下ろすような視線になるため、乗客の顔は見えない。
見えるのは「足」だけ。
人間観察ならぬ、人間の足観察。
この喫茶店には窓際のテーブルは2つしかない。

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【466/1973】
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by tabijitaku | 2008-08-31 09:18 | 私が私であるための1973枚(絵)

金庫に指を挟みました。

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キン肉マンの額に刻まれた「肉」の字が、エネルギーのバロメータだということは、当時この国民的マンガに熱中した世代の少年たちなら、誰でも知っているだろう。
キン肉マンは体力が無くなってくると、まるで水位が下がってゆくように、肉の字が白く変色してゆく。
ウルトラマンのカラータイマーのような警告の合図だ。
ちなみにラーメンマンの額にある「中」の字には、そのような機能はない。

昨夜、わたしは自分の血の気がさーっと引いてゆくのを怖いぐらいに実感した。
きっかけは実に間の抜けた話なのだが、金庫に指を挟んだのである。

金融機関で使われているような耐火金庫で、扉の厚みが10cmぐらいある頑丈な金庫である。
挟んだのは左手の親指で、痛みでしばらく声も出なかった。

すぐに給湯室へ向かい水道の水を当てたが、内出血でみるみる黒ずんでゆく自分の指をみて、やばいな、と思って後輩を1人呼んだ。
駆けつけた後輩はすぐに事態を理解して、氷水を用意してくれた。
氷水に指を入れた瞬間、激痛と鈍痛がサンバを踊り出したような状態になった。

給湯室の騒ぎに気づいた他の社員たちが、次々とやってくる。
誰かが誰かに言う。
「血を抜いたほうがいいか、ネットで調べろ」

このときわたしはもう立っているのが辛くなり、椅子を持ってきてもらった。
この辺から記憶があやふやなのだが、今度は座っていることもできなくなった。
さーっと自分の血の気が薄れていくのがわかった。
「真っ青ですよ」と最初に駆けつけてくれた後輩の声を聞いたのは憶えている。

「横にしろ」と誰かがいい、「足を持て」と誰かが答え、「タオル敷け」と誰かが言って、気がつくと、わたしは天井を見上げていて、年配の社員がわたしの頬に手をあてて、体温を取り戻そうとしていた。
指を挟んだのは左指1本なのだが、両手がグローブになったみたいに、指先の感覚が失われていた。

やがて誰かが電話をしている声が聞こえた。
「はい、急性の貧血だと思います」(ああ、倒れたのか)
「年齢?36歳です」(34歳だよ!)
「えーと、金庫に指挟んだみたいです」(そうなんですよ)
「はい?いや自分で挟んだんです」(…はい)
「いや、だから自分で金庫に指を挟んだんです」(クドイよ)

遠くから救急車のサイレン音が聴こえてきた。
わたしの意識は戻っていたが、救急隊員は慎重だった。
血圧を測られ、正常値に戻ったことを確認すると、救急病院の手配をしてくれた。

救急車には乗らず、後輩にわたしの車を運転してもらった。

骨が折れている自覚症状はなかったので、どうせ診てもらって冷やす以外に方法は無いと思ってはいたのだが、案の定念のためにとったレントゲンに異常はなく、湿布と痛み止めをもらっっただけだった。
時間外の診察ということ、会計ができず、預け金として5000円渡す。

いろいろ世話を焼いてくれた後輩と遅い晩飯を食べ、家まで車で送ってもらい、車のほうは彼にそのまま預けた。きょう届けてくれることになっている。

途中、後でごちゃごちゃ言われるのも嫌だったので、社長に1本電話で報告する。
「そりゃ、飲んだほうがいいな。これから飲むか?」と言われたが、アルコールで痛みを消す方法は、たぶんわたしには効かないので辞退した。
しかし、病院からもらった痛み止めも、まるで効果がない。
そのせいで、昨夜は疲れているのに、なかなか眠れなかった。

怪我したのは左手の親指だけなので何をするのにも、さほど苦労はない。
わたしはパチンコもインベーダーゲームもやらないし、ギタリストでもピアニストでもないので、せいぜい服のボタンを開け閉めするとき、難儀するほどである。

キン肉マンはエネルギーが無くなったとき、にんにくを食べることで復活する。
わたしにとっての「にんにく」はなんなのだろう?と考えている、ずっと。

【397/1973】
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by tabijitaku | 2008-06-21 10:25 | 私が私であるための1973枚(絵)

魔法にかかる。

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短編童話ふたたび。

彼女は魔法を習っています。
彼女の先生は魔法使いです。
彼女は先生に尋ねました。

「しあわせになる魔法を教えて下さい」

すると先生は言いました。

「よし分かった。それなら幸せになる薬の作り方を教えようじゃないか。いいか、まず魚屋に行って鰯の目玉とヒラメのウロコをありったけ貰ってきなさい。それから花屋に行って薔薇の刺を100個用意すること。電気屋では60ワットの電球を80個、米屋ではうるち米を17粒、薬局ではメチルアルコールを1本、まだまだあるぞ。メモをとるんだ」

女の子は先生に言われたものを買い揃えるために、お金を貰って商店街へ行きました。

途中ちょっと寄り道してブティックに寄ったら、素敵なマントと帽子のセットがサマーセールで売っていたので、ついつい渡されたお金で買ってしまいました。

彼女は嬉しくなって、今度は美容室へ向かいました。

結局、美容室でお金を払ったら、彼女は先生に言われたものを何1つ用意できませんでした。
でも、ウインドウに映った自分の姿を見たら、彼女はとっても、しあわせでした。

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【371/1973】【372/1973】
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by tabijitaku | 2008-05-30 00:14 | 私が私であるための1973枚(絵)

【ミステリークイズ第3弾】けして開かない扉

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調子にのってミステリークイズ第3弾です。
ちなみに前回は【佐清と珠世は如何にして死んだのか?】でした。

今回のタイトルは「けして開かない扉」
怪盗の登場です。

あるところに、錠前破りの名人がいました。
ひと呼んで怪盗29831(にくやさい)
29831はこの世の全ての錠前を破れると噂の天才大泥棒です。

さて、彼はいま大富豪のお宝を狙っています。
29831の襲撃を怖れた大富豪は、窓の無い部屋にお宝を移しました。
出入り可能なのは、部屋の入り口ただ1つ。
更にその扉にをナント頑丈な鍵を10個も付けたのです。

ああ、しかし相手は怪盗29831
彼はいとも簡単に警備の目を潜り、唯一の進入経路である扉の鍵10個全て開けてしまったのです。

ところが、29831は10個全ての鍵を開けられたにもかかわらず、とうとう部屋に侵入することはできませんでした。

それでは問題です。
怪盗29831が部屋に侵入できなかった理由をお考え下さい。ヒントは大富豪が「ある機転」を効かせたからでした。さて大富豪はいったいどのようにして怪盗29831からお宝を守ったのでしょうか?

【注意1】解答を戴ける方は後からご覧戴く方のために「鍵付きコメント」でお願いします。
【注意2】hanepanさん、今回もデスノート使用は禁止です。ついでにドラえもんの参加も固くお断りさせて戴きます。

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【357/1973】
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by tabijitaku | 2008-05-22 00:45 | 私が私であるための1973枚(絵)

φ

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学生時代、算数は好きな教科だった。
算数的考え方が好きだったと言ったほうがいいかもしれない。
授業の名前が算数から数学に変わっても中学校ぐらいまでは確かに好きだった。

でもΦの意味は知らない。
「ファイ」という読み方だけ知っている。

男二人が二股の道を分かれて歩き出す光景が印象的だった映画「ダウンバイロー」
「Φ」が「Y」の字の別な可能性に思えてしまうわたしの感覚は、「数学的」な思考からほど遠いのだろうが、きょう2年ぶりに連絡をとったひとと、明後日わたしは会う。
わたしは彼の奥さんに「勝手ながら失礼には当たらないであろうと思ったので」と伝えたところ、本人から「もうそろそろ会ってもらえるかな、と思っていた」というメールが届いた。

Φがどういう意味だかは知らないが、明後日はわたしをいまの場所に導いた男性と再会の日であり、同時にわたしの人生に最も大きな影響を与えた男性の誕生日でもある。

【352/1973】
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by tabijitaku | 2008-05-16 01:22 | 私が私であるための1973枚(絵)

この世でいちばん愚かな人間の話

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「この世で最も頭の悪い人間は、最初に電話を作ったヤツですよ」

これは週末に聞いた落語の小話。
お客さん、わかりますか?

【307/1973】

そのわけ
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by tabijitaku | 2008-04-22 01:08 | 私が私であるための1973枚(絵)

カーテンを開ける。

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【294/1973】【295/1973】【296/1973】【297/1973】
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by tabijitaku | 2008-04-12 17:04 | 私が私であるための1973枚(絵)

君のためなら千回でも

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週末訪れた茨城県のとある寺での話。
大きな水瓶に子どもたちが群がっている。何をしているのかと背後から覗き込むと、彼らは水面に生きた蟻を放り込んでいた。
子どもの残酷さにはハッとすることがある。

映画「君のためなら千回でも」はとても残酷な映画。
残酷で美しく、残酷で切なくて、残酷で愛おしい映画。

大ベストセラーの映画化作品であるが、ほとんど予備知識無しで映画館に足を運んだため、映画開始20分で衝撃を受けることとなった。

主人公は少年時代に犯した「ある罪」を背負ったまま大人になる。
彼はその罪を誰にも打ち明けることができないまま、贖罪すべき相手すら失ってしまう。
映画が劇的に動き出すのは、数奇な運命のもと、主人公に一筋の償いの道が見えたとき。
彼はその償いの道に自分の人生をかけようとする。

「両親が死んでいてくれてよかった」
これは、映画後半で主人公と行動を共にする少年の言葉。
その理由があまりにも切なすぎて哀しすぎて、わたしはこの言葉を生涯忘れられそうにない。

原題は「THE KITE RUNNER」であるが、
邦題もわたしはすごくいいと思う。
「何が」千回なのかは、映画を観ていないひとのために、あえてここでは書かないことにする。

【274/1973】

映画「君のためなら千回でも」公式ホームページはこちら
http://eiga.com/official/kimisen/
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by tabijitaku | 2008-03-30 22:31 | 私が私であるための1973枚(絵)

瞳にまつわるエトセトラ

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黄砂が吹いている。
関東では昨日、春一番が吹いた。
「春一番」と聞くと、わたしが思い出すのは「ブラックジャック」
初めて読んだブラックジャックのタイトルが「春一番」だった。
ブラックジャックによって角膜移植の手術を受けた少女は、それ以来見知らぬ男の幻を見るようになる。
その幻覚に悩まされるうち、少女はやがて彼に恋してしまう。
しかし男の正体は連続殺人犯だった。
実はブラックジャックがアイバンクで手に入れた角膜は彼によって殺された女性のものだったという話。
初恋に破れた少女に対し、ブラックジャックが口にするのが「春一番」だった。
本当の春はこれからやってくる、と。

「瞳」の話と言えば昨日観た映画「潜水服は蝶の夢を見る」
http://www.chou-no-yume.com/
雑誌編集長だった主人公が突然の病気で全身麻痺になってしまう。
彼が唯一、自分の意志で動かすことのできる身体の部位は「左目」だけ。
その左目を使い彼は20万回の瞬きによって自伝を書き上げる。
全身麻痺の主人公の目線で描かれた映像。
彼と彼を取り巻く人々の痛々しいまでの心の揺れ。
忘れがたい映画だった。
選曲が素晴らしい。
サウンドトラックが日本では販売されておらず、昨夜遅く弟が海外からサウンドを手に入れて送ってくれた。それをいま、繰り返し聴きながら書いている。

音の向こう側では風がゴーゴーと唸っている。
本当は久々の連休、バイクに乗りたかったがこの強風では無理だ。
そう言えば、昨日映画を観に行ったとき町で奇妙なポスターを観た。
丸い円の中に顔が描かれているのだけど、その顔が何とも不気味で、真っ黒な瞳からアイメイクが崩れたような黒い涙が流れている。
しばらく観ていると、ポスターが風で剥がれて天地逆になっていたことに気づいた。
不気味な顔の正体は連桁付き八分音符だった。
目の錯覚。

最後はわたし自身の目の話。
左まぶたの上に微かに疵跡が残っている。
顔を近づけて見てもなかなか気づかないぐらいの小さな疵跡。
子供の頃、卓上ピンポンで遊んでいたとき、吸盤付のネットを取ろうとして支えの棒の先端が勢い余って顔を掠ったときにできた疵。「失明したらどうするの!」と母親にたいそう怒られた。疵はだいたい左目の5mm上ぐらいの位置にある。
先ほど、鏡を見ながらその疵跡をカメラで写した。
苦労して撮った写真を見て、わたしはそう言えば以前、目の写真を見せられたことを思い出した。なぜそのひとがわたしに目の写真を送ってきたのかは思い出せないが、目のアップを観るのはなんか奇妙な感覚だ。

ブログなんかでもよくあるけれど自分の顔を写すとき「目だけ隠すひと」と「目だけ見せるひと」がいる。この違いはなんなのだろう?

【238/1973】
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by tabijitaku | 2008-02-24 15:06 | 私が私であるための1973枚(絵)

5行童話

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評判の王様がいました。

王様は国民を大事にする「いい王様」でした。

「我を愛せ。我を愛する者を我は無条件で愛そう」

しかし王様は気づいてしまったのです。

それは「無条件」とは言わないことに。

【237/1973】
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by tabijitaku | 2008-02-22 01:59 | 私が私であるための1973枚(絵)


中庭、それは外。でも内側


by tabijitaku

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